札幌の六畳一間

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zoom RSS 題も秀逸

<<   作成日時 : 2014/04/04 23:46   >>

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消費税増税を味わっていない。
買い物に行っていない。
引きこもりすぎだ。


では今日紹介の本。


『化人幻戯』 江戸川乱歩 昭和48年・8刷
江戸川乱歩長編全集18 春陽文庫 春陽堂書店


画像



今日、出てきたんでなんとなく読んでみたら、
けっこう乱歩節がある。

レンズで拡大したアリジゴクを面白がるヒロイン。
そしてそのヒロインのぬくもりが残るレンズに
目を押し当てる部分。

こういう描写は秀逸だ。

袖のあらすじも
「浴室の中で妖しくゆらめく由美子の桃色のからだ!」と
ハイテンションだ。

ならこの作品も密室だアリバイだ言わずに、
ヒロインの魅力を前面に出せばよかった……とは
誰もが思うだろうが、
本格推理が書きたかった作者の気持ちも分かって欲しい。

乱歩の潔癖さだろうか、
「何者」や「化人幻戯」のような本格を書こうとする場合、
怪奇要素を排除してしまう。

今でこそミステリでは怪奇と論理の融合は当たり前だ。

死体を解体して手足をバラまく、とか
現代のミステリなら何か理由付けしてくる。

当時それが出来れば、結構な目くらましになったと思う。

そこで「地獄の道化師」なのだ。

割れた石膏像から死体が出てくる。
次々と女を狙う怪人、地獄の道化師。
それと対決するのはご存知、
名探偵明智小五郎と小林少年。

といういつものパターンでありながら、
石膏詰めの死体も、
女性を狙った理由も(快楽殺人ではなく)
地獄の道化師という怪人の存在理由も
ちゃんと理由付けしてくるという、
怪奇と論理が融合している作品だ。

「地獄の道化師」や館モノである「暗黒星」の
方向性のものを戦争が無かったら
もっと書けていたのかもと思う。

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