|
ネームが何の手直しも無く通ると、嬉しい。 自分の世界観が全肯定された気分だからだ。 まあ、その後に読者のアンケートによる判断が 待っているのだが……。 でも「日本一」はアンケート欄に 最初から載っていない。 評価外の作品。 ある意味、特権階級だ。 これは商業誌では稀有なこと。 ありがたいことであります。 では今日紹介の本。 「透明怪人」 江戸川乱歩 昭和59年 少年探偵・江戸川乱歩全集6 ポプラ社 透明人間vs名探偵・明智小五郎! 高木彬光先生の「覆面紳士」に 触発されて書いたと思われる。 「透明怪人」の前に、 その「覆面紳士」について説明しておこう。 昭和24年、デビューしたてだった 高木先生は食べるために、時代物を書こうとしていた。 「子供向けでもいいから、ちゃんと探偵小説を書け」と、 横溝正史先生が偕成社を紹介。 そこで書き下ろしたのが、 透明人間と名探偵・神津恭介の対決を描いた 「覆面紳士」だった。 「透明人間現る」の題で映画にもなった。 噂では集英社(?)が復刻しようとしたらしいが、 「せむし男」が出てくるので、お蔵入りになったとか。 この「覆面紳士」は今や 国立国会図書館にも無い、幻の本となっている。 しかしこの作品、トリックではなく、 「本物の透明人間」が出てくる話なのだ。 ウェルズ先生の「透明人間」同様、薬で透明になる。 ……ここでようやく、乱歩先生の 「透明怪人」の話に戻る。 多分、乱歩先生は、それがミステリ作家として 納得できなかったのではないだろうか。 そこで全ての怪奇現象がちゃんと トリックで構成された この「透明怪人」を書いたのではなかろうか。 ……私にはそう思えるのだった。 本作の最後で明智小五郎と、その替え玉、 そして明智に化けた怪人二十面相、と 3人の明智が出てきて、 それが物語のどこに出てきていたかを 解説するシーンがいい。 「少年探偵団シリーズ」というと、 子供だましの幼稚なトリックという印象が強いが、 ちゃんと「ミステリ」として作られている、 というのが素晴らしい。 他作家の児童ミステリなど、 ミステリとしての体裁をなしていないものが 殆どである。 |
| << 前記事(2007/03/25) | トップへ | 後記事(2007/03/27)>> |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2007/03/25) | トップへ | 後記事(2007/03/27)>> |